平設計事務所 TAIRA Architects Office Ltd.

Special Issue 特集記事

「病院」から「健院」へ
これからの病院建築の考え方

建築
周辺の景観を生かしながら、 新たな都市のコンテクストを創出

敷地は、南北方向に交通量の多い明治通りに面し、東西方向に流れる小名木川に掛かる進開橋の南西の角地である。通りを挟んで北側には高層の集合住宅が立ち並び、南・西側には、大型開発で造成された緑地帯が隣接。この周辺景観を生かしつつ、病院としての潤いのある環境を創出することを設計の基本コンセプトとした。円筒形と曲線の構成による外形は、通りに柔らかい表情を生み出す。曲面の内側に配したエントランスは、人をやさしく迎え入れ、包み込む設えを意図した。また、内部の病室を円弧状に配置することで、より多くの病室に周辺の景観を取り込める平面計画が実現した。建物の西面は、それとは対照的に直線的な構成としつつも、壁面の量に対して単調さを避けることと、病室からの視界を広げるために出部屋を設け、リズミカルな配置となるように設計。都市の景観に溶け込みながらも確かな存在感を与える、新たなコンテクストが創出された。