平設計事務所 TAIRA Architects Office Ltd.

Special Issue 特集記事

「病院」から「健院」へ
これからの病院建築の考え方

ファサード
自然素材のタイルと外装サッシで景観に溶け込む美しい曲線をデザイン

タイル

外壁には、自然素材であるタイルを使用した。工法は、まず60cm幅の成型板アスロックを下地とし、その上にタイルを貼るというもの。アスロックを使う時は、板間の目地を生かして美しく納めるのが難しい。今回は、国代耐火工業所より、目地幅を調整しながら貼ることのできる『極細ボーダーⅡ』というタイルをご提案いただいたことで、目地を意識させない美しい壁面をつくることができた。
目地幅を調整しながら貼るという工法は、施工者の技術の熟練度によって仕上がりが大きく左右されるが、今回は、接着剤張りの工法により目地幅を省く空目地で、タイルを立体的に仕上げた。接着剤張りは、モルタル張りと比較してタイルが剥離しにくいという特長も持つ。対応するサイズは限定されるが、『極細ボーダーⅡ』は、その条件をうまくクリアしていた。
この事例のように空目地で仕上げる場合、タイルの表面だけでなく側面の仕上がりも重要となる。その点では今回使用したボーダータイルは、釉薬をかけずに焼成した無釉タイル。表面と側面が同じ色で仕上がり、窯変という自然の色幅が美しいタイルである。自然素材の素朴な質感と色の特性を生かすことで、立体的な陰影が美しい外壁が完成した。

カーテンウォール/サッシ

タイルとともに美しい外装の要となるサッシは、YKK APの『SYSTEMA(システマ)』と『EXIMA(エクシマ)』シリーズを駆使し、設計意匠を忠実に再現した。円筒形と緩やかな曲線の切り替わりには、小さな半円形のカーテンウォールをアクセントとして配置。自然素材のタイルとの連続性あるR形状が、景観にしっくり溶け込んでいる。